「システアミン塩酸塩点眼液」製造販売承認を申請
「シスチン症患者の角膜に蓄積したシスチン結晶沈着物の溶解」を適応として
ヴィアトリス製薬株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ソナ・キム)は、6月28日、「シスチン症患者の角膜に蓄積したシスチン結晶沈着物の溶解」の治療薬として、「システアミン塩酸塩点眼液」の日本における製造販売承認申請を厚生労働省に行いました。本申請は、海外パイロット試験(OCT-1試験)、海外第Ⅲ相試験(CHOC試験)、国内第Ⅰ相試験(P0005)、国内第Ⅲ相試験(P0006)の結果に基づいて行われました。
シスチン症は、様々な細胞に存在するリソソームへのシスチンの蓄積により発症する稀な常染色体劣性遺伝形式の先天代謝異常症です。腎、眼球、骨髄、リンパ節等、全身の組織においてリソソーム内にシスチンが蓄積することにより細胞障害が生じます。3つの病型に分類されるシスチン症において、最も重症で大部分を占める腎障害型では2歳ごろまでにシスチン結晶が眼球角膜に沈着し、痛みや眩しさを引き起こします。これを無治療で放置した場合、角膜のシスチン結晶は様々な眼症状による視力障害を引き起こし、失明に至るリスクを有します。欧米での罹患率は10万人から20万人に1人と報告されています。日本国内における患者数は、2018年5月時点で10数名*と言われています。
本剤については、厚生労働省による「第4回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外の要望募集」に対し、日本先天代謝異常学会およびシスチノーシス患者と家族の会から「未承認薬・適応外薬の要望(要望番号:IV-47)」が提出されていました。また、「システアミン塩酸塩」は厚生労働省により希少疾病医薬品として指定されています。
ヴィアトリス製薬株式会社 代表取締役社長のソナ・キムは、次のように述べています。
「多くの医療従事者、患者さん・ご家族等のご協力により臨床試験が実施され、今回、システアミン塩酸塩点眼液の日本における製造販売承認申請を行うことができました。この場を借りて、ご協力くださった皆様に改めて感謝を申し上げます。ヴィアトリス・ジャパングループの豊富な経験を生かして、シスチン症患者さん、医療従事者の方々にこの新しい治療選択肢をお届けできるよう、承認取得に向け、引き続き取り組んでまいります。
ヴィアトリス・ジャパングループは幅広いポートフォリオで多くの疾患領域をカバーするユニークなヘルスケア企業として、今後も私たちのミッション『世界中の誰もが人生のあらゆるステージでより健康に生きられるよう貢献します』の実現に向けて、尽力してまいります。」
*国立研究開発法人 国立国際医療研究センター研究所ホームページ 「シスチノーシス(シスチン蓄積症)のひろば」より
【シスチン症について】
シスチン症は、様々な細胞に存在するリソソームへのシスチンの蓄積により発症する稀な常染色体劣性遺伝形式の先天代謝異常症です。本症は人種にかかわらず発症が認められており、欧米での罹患率は10万人~20万人に1人と報告されています。日本国内においては、2018年5月時点で10数名*と言われています。本症の原因は、シスチンをリソソームから細胞質へ輸送する膜輸送担体であるシスチノシンの先天欠損となり、腎、眼球、骨髄、リンパ節等、全身の組織においてリソソーム内にシスチンが蓄積することにより細胞障害が生じます。その中でも、患者さん全体の95%を占める「腎障害型」は、最も重症度の高い病型です。生後6か月頃から腎尿細管機能障害を発症し、体重増加不良、アシドーシス、筋緊張低下、くる病、多飲多尿が発現します。また、2歳頃までにシスチン結晶が眼球角膜に沈着し、痛みや羞明(眩しさ)を引き起こします。未治療の場合、10歳頃までに末期腎不全に進行する可能性があります。
【システアミン塩酸塩点眼液について】
システアミンはシスチン除去作用を有します。従って、シスチン症の全身的治療としては、シスチン蓄積を減少させ、臓器及び組織の障害を遅らせる目的でシステアミンの経口投与が行われています。欧米と同様、日本においても、システアミン酒石酸塩を含有する経口システアミン製剤のニシスタゴン(製造販売:ヴィアトリス製薬株式会社)が腎性シスチン症治療薬として承認販売されています。
一方、角膜は無血管組織であるため、システアミンの全身的投与では角膜シスチン結晶に対する治療効果は期待できません。無治療で放置した場合、角膜のシスチン結晶は様々な眼症状による視力障害を引き起こし、患者は失明に至るリスクを有します。角膜のシスチン結晶蓄積に対する最も有効な治療は、システアミン点眼剤の投与です。欧州においては、2017年1月19日、「成人及び
2歳以上の小児のシスチン症患者における角膜シスチン結晶沈着の治療」を適応として、Recordati Rare Diseases Sarl がCystadrops 3.8 mg/mL eye drops
solutionの名称で承認を取得しています。米国においては、2020年8月19日、「成人及び小児のシスチン症患者における角膜シスチン結晶沈着の治療」を適応として、Recordati Rare
DiseasesがCYSTADROPS® (cysteamine ophthalmic solution) 0.37%の名称で承認を取得しています。Recordati Rare
Diseasesは、日本における本製品の独占的権利をヴィアトリスに付与しました。
【ヴィアトリスについて】
ヴィアトリスは、世界中の誰もが、人生のあらゆるステージで、より健康に生きられるよう貢献する、グローバル規模の製薬会社です。持続可能なオペレーションを促進し、革新的なソリューションを開発します。また、蓄積された専門知識を活かし、当社独自のGlobal
Healthcare
Gateway™を通じて、より多くの人びとにより多くの製品とサービスをお届けします。2020年11月に誕生したヴィアトリスは、サイエンス、製造、流通における専門的知識とメディカル、薬事、コマーシャル分野の実績ある能力を結集し、165を超える国と地域の患者さんに高品質な医薬品をお届けしてまいります。ヴィアトリスは、非感染性疾患と感染症にわたる広範な治療領域に1,400種類以上の医薬品を有しています。当社のグローバル・ポートフォリオは、著名なグローバルブランド医薬品、コンプレックス・ジェネリック医薬品、一般用医薬品などで構成されています。ヴィアトリスは全世界に約38,000人の従業員を擁し、米国に本社を置き、ペンシルベニア州ピッツバーグ、中国上海、インドのハイデラバードにグローバルセンターを有しています。詳細については、
viatris.comおよび
investor.viatris.com、Twitter(
@ViatrisInc)、
LinkedIn、
Instagram、
YouTube
をご覧ください。
日本においては、ヴィアトリス製薬株式会社、ファイザーUPJ合同会社、マイランEPD合同会社、マイラン製薬株式会社の4法人が、ヴィアトリス・ジャパングループとして事業を展開しています。
【Recordatiについて】
Recordati Rare Diseasesでは、”Focused on the
few“の考えのもと、緊急に必要とされている治療を提供することで、深刻な希少疾患の影響を軽減することを使命としています。Recordati Rare
Diseasesは、希少疾患の患者様への最も効果的な治療の提供に注力し、2007年からRecordatiグループの一部を構成しています。幅広い疾患領域において治療選択肢を提供し、研究開発から化学物質及び最終製品の製造、そして商業化とライセンス供与に至るまで完全に統合されたオペレーションを実現するため、Recordatiは独自の構造を有しています。Recordatiは、健康、そして人生を最大限まで生きる機会は、特権ではなく権利であると信じています。Recordatiの願いは、人々に人生の可能性全てを引き出す機会を提供することです。
Recordati(Reuters RECI.MI, Bloomberg REC IM)はイタリア証券取引所(ISIN IT 0003828271)に上場している国際的な製薬グループであり、スペシャリティおよびプライマリケアからコンシューマー・ヘルスケア、そして希少疾病に至るまでの治療を提供するため、独自の構造を有しています。Recordatiは、健康、そして人生を最大限まで生きる機会は、特権ではなく権利であると信じています。Recordatiの願いは、人々が人生における可能性全てを引き出す支援をすることです。Recordatiは、研究開発から化学物質及び最終製品の製造、商品化とライセンス供与までのオペレーションを完全に統合いたしました。Recordatiは1926年に設立され、ヨーロッパ、中東、アフリカ、南北アメリカ、アジア太平洋地域のおよそ150か国でビジネスを営んでいます。2022年末時点で、Recordatiは4,300名以上の社員を有し、18億5,330万ユーロの連結収益を上げています。より詳しいご情報は、こちらをご覧ください:www.recordati.com